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zoom RSS 本を読んだ。『坂の途中の家 / 角田光代』

<<   作成日時 : 2016/09/12 05:25   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

図書館で予約が多かったので借りてみました。
借りてから分かったのですが、「紙の月」を書いた人だったんですね。
「紙の月」がちょっと苦手だったので、どうかなぁ〜。と思いながら読みました。

内容は以下の通り。
最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない――。
虐待事件の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇に自らを重ねていくのだった。

社会を震撼させた乳幼児虐待事件と〈家族〉であることの光と闇に迫る心理サスペンス。

感情移入度100パーセントの社会派エンターテインメント!
私は、果たして、文香を愛しているんだろうか。もちろん愛していると思っている。いなくなったらと考えただけで胸がふさがる思いがする。(略)それでも、文香を自分より大切なものと思えるだろうか。かわいい、かけがえのない子どもと思えるだろうか。(本文より)



丁度、主人公の子どもの年と近いことがあり、必要以上に気持ちが揺さぶられました。

3歳児検診の時、子どもどうしの喧嘩で、娘がすぐ叩くことを相談したら、相談した女性に「あなたはよく子どもを叩きますか?そういう子は、ほかの子を叩きます」と虐待を疑われたことを、すぐに思い出だしました。


初めての育児で、分からなく、自信のなさから不安で一杯だったあの頃。

相談した人たちはみんな、こうしたらよくなるよ。ああしたらよくなるよ。と先生のように教えてくれました。
テレビをつければ、子育ての番組がたくさん放送されており、軽い感じで「こうすればもっと簡単に…」。とアドバイスをしています。図書館へ行けば、これまたハッピーだとか、らくらくだとか、ピンクを基調にしたかわいらしい育児書がたくさん陳列されています。

悩まないで、子育てはこーんなに簡単。

それらを聞きたり、読んだりしているうちに、私の子育てが悪いから、娘は人を叩くようになったんだろうか…。と無意識レベルで自分を責めるようになりました。
だって、親のはたらきかけで子どもの行動が変わるんでしょ?だとしたら、親のはたらきかけが悪いから子供の行動が悪くなるの?


そんな時、一時保育をしてくれた先生の言葉に救われました。

「この子は難しい子だね。」

たったその一言で、「私の育て方が悪かったから人を叩くような娘になったんだろうか…。」という呪縛から解き放たれました。この子は、ベテランの先生が見ても難しい子だったんだ。

そして、続けて。

「あんまり、人のアドバイスを聞いてあれこれ言ったりしたりしない方がいい。
そうしないと、この子の良いところがつぶされてしまう。
ママがすべき事は、この子の味方になって、気持ちに寄り添うことだ」

と言ってくれて、ようやくやるべきことが見えました。

『子ども達が多くいるところで遊ばなければ、社会性が身につかない。』とテレビで言っていたから、子どもが多くいる場所に無理に連れて行っていた自分がいました。

『どうぞ。と言えなければ、わがままな子になる。』と本に書いてあったから、いつもいつもおもちゃを譲らせている自分がいました。

でも、そんなことどうでもいい。
娘が行きたいところに行き、娘がやりたいことをすればいい。


そんなこんなで1年が経ち、娘が社交性がなく我儘な子になったかというと、そんなことはなく、幼稚園に行った瞬間から思いやりのある優しい子供になりました。

その後、親の言葉やはたらきかけで子どもを変えられる。と思っていたなんて、まったくおこがましい話だったなぁ。思ったものです。

確かに、
『親がどうこう言っても子どもは変わりません。子どもは必ず自ら正しい道を見つけ出すので、それまでずっと、1年かかっても2年かかっても信じて見守りましょう。』
というのではテレビ番組は作れないでしょう。本も売れないでしょう。
でも、それが正解だと今は思っています。



話は変わりますが、角田さんの作品は、1行1行を読むと、すごくあるある!と共感できるのですが、その1行1行が少しずつ少しずつずれて、最後の結末が、いや、それは…。となります。

子育てで追いつめられることがある。
夫の一言で自分が全否定されたように感じることがある。

そんな事、誰だってあります。もちろん、私にも。

でも、
だから、パニックになって子どもを殺す。
だから、夫は妻に自信を無くさせ、それによって優越感を得ることでしか愛することが出来ない人だから、離婚する。

となると、それはナイ。となる。
でも、角田ワールドではアリ。

その乖離が私が角田さんに感じる不気味さで、でもたぶん、これがこの人の書きたい人間の狂気なんだろうなぁ。と思うのですが、なんというか、今回も角田さんに対する苦手感をより強めた結果となりました。






坂の途中の家
朝日新聞出版
2016-01-07
角田光代

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
角田さんの小説、私も好きです。人のつながり、細かい心の動き、いいですね。
きろひの16
2016/09/12 15:28
きろひの16さん、初めまして。
角田さんの心理描写細かいですよね。
水面のふとした拍子に起こるきらめきや波紋を言葉で表現するような、そんな繊細さがあります。
でも、気付いたらその繊細な言葉の先にとんでもない暗黒がぽっかり口を開けて待っていたるするので、油断ならないです
nagomi
2016/09/12 19:28

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